こんにちは。今回は「制定しよう 放射能汚染防止法」(山本行雄著、星雲社) の「第2章 原子力法は人と環境をどう扱っているか」 「2‐02 汚染しても責任がない量規制なき濃度規制」 についてお話してみたいと思います。前々回お話した通り原子力関係の法律にはその排出量の規制がない というお話です。ないないづくしのひとつめですが・・。
濃度規制 を行っているだけで排出量に制限を設けていません。電力会社は保安規定に年間放出管理目標 を記載することになっていますがあくまで努力目標 に過ぎず法的順守義務はありません。放射線発散処罰法 という法律がありますが、原発事業者の過失によるばら撒き行為つまり重過失 を取りしまる法律はありません。薄めて放出すればよい という事になります。法制度として量規制なき希釈・拡散政策が原則化 しています。大気汚染防止法 水質汚濁防止法 では総量規制が行われています。濃度規制 についてもばいじんについては空気で薄める脱法行為 を防止するための測定措置を講じています(※1)。水質汚濁については水で薄めることを認めない条例 を制定している自治体があります。
(※1)ばいじんとは。罰則がありません。 操業停止などの行政処分は考えられますが、これまでにそのような例はありません。大気汚染防止法 水質汚濁防止法 の濃度規制は当然罰則を伴います。 再処理事業 には排水の濃度規制すらありません。再処理事業においては濃度規制に代わって線量規制が行われています。線量規制 を行っているという事になります。2013年9月5日原子力規制委員会田中俊一委員長は記者会見で東電が汚染状況をシーベルト単位で発表していることについて、「重さの単位を長さの単位で表すようなものでイロハが分かっていない」 「汚染状況を示す場合はシーベルトを使うべきではない」 と発言していますが、線量規制で定めているのは当の原子力規制委員会 です。
排出「量」の規制がない
原子力関係の法律は、放射性物質について重過失による汚染にさえ責任がない
故意に核物質をばら撒く行為については薄めれば無制限に捨ててよい濃度規制
排気や排水に含まれる放射性物質を濃度で規制しますが排出量全体に制限はありませんので(※1)ばいじんとは。