こんにちは。今回は
  • 「制定しよう 放射能汚染防止法」(山本行雄著、星雲社)
  • 「第2章 原子力法は人と環境をどう扱っているか」
  • 「2‐03 被曝させても責任がない公衆被曝線量規制」
  • についてお話してみたいと思います。放射能汚染防止の制度をこの2章の「2-01」で2段階に分け、前回の
  • 1.排出・汚染
  • の段階では排出量の規制がなく濃度規制があるだけというお話をしました。今回は
  • 2.被曝・被害
  • の段階のお話です。
  • 1年1ミリシーベルト
  • のお話です。

    DSC_0289

    公衆被曝線量1ミリシーベルト

  • 1.排出の段階
  • でその量は
  • ベクレル(Bq)
  • で表されます。
  • 2.被曝の段階
  • での影響については
  • シーベルト(Sv)
  • で表します。
  • 公衆被曝線量1ミリシーベルト
  • というのは2.被曝の段階でのもので、1.排出の段階における規制の不備については前回までお話した通りです。

    原発を例にして説明します。

    電力会社は
  • 原子力規制委員会
  • から原子炉の設置許可をもらい原発を運転します。この
  • 保安規定
  • では原発の周辺を
  • 周辺監視区域
  • と定めてあります。
  • 原子炉等規制法
  • では周辺監視区域を「定義」しておりその外側が
  • 被曝線量年1ミリシーベルト(1mSv)
  • を超える恐れがない区域としています。それが上の図です。このように保安規定によって人は
  • 年1ミリシーベルト以上被曝しない事になっています。
  • 他の原子力施設もこれと同様です。では、規定を守れなかった場合の罰則はというと
  • なんとそれがありません。
  • 放射線管理区域設定基準年間5.2ミリシーベルト

    c7de9c27354e1324ec65fc00d5eecfe9出典:
    http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/f6158ba2028ae3badf6b827ad848f2a8

    冒頭の図で示した
  • 管理区域
  • とは
  • 年間で5.2mSv以上被曝する恐れのある場所
  • の事です。放射線従事者は
  • 労働安全衛生法
  • に基づき定められた
  • 電離則(電離放射線障害防止規則)
  • によって一定以上の被曝から守られています(※1)。管理区域は原発関係の法律だけでなく
  • 労働安全衛生法
  • 放射線障害防止法
  • でも同じ内容で決められています。違反は労働安全衛生法違反として使用者は罰せられます。

    (※1)
  • 電離放射線障害防止規則 第二章 管理区域並びに線量の限度及び測定
  • 年間20ミリシーベルト

    年間20ミリシーベルトは、
  • 原子力災害特措法
  • 緊急事態宣言
  • に伴う避難基準として設定されたものです。公衆の被曝線量基準とは別です。法律で決まっているのは
  • 1ミリシーベルト
  • だけです。(※2)

    (※2) ではなぜ政府は20ミリシーベルトという数値を採用したのかについては、ブログ管理者の私見を添えておきます。政府はICRP(国際放射線防護委員会)の「今回のような非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベルとして、1~20 mSv/年の範囲で考えることも可能」とする声明を根拠に放射能許容量を20mSvとし避難区域を設定したのではないかと考えます。

    原子力災害特措法の濫用

  • 原子力災害特措法
  • で20ミリを設定されたと言っても
  • 公衆被曝線量1ミリ
  • が変更されたわけではなく、また公衆被曝線量は
  • 公衆を被曝から守るための基準
  • であるのだから、防災上の避難基準もこれを尊重し採用すべきです。
  • 東電の賠償責任
  • も左右されるものではありません。ところが政府は
  • 原子力防災
  • の避難の基準に定めた
  • 年20ミリシーベルト
  • を、防災の枠を超えて
  • 公衆被曝線量基準
  • の代わりに用いるという
  • 法制度の濫用
  • を行なっているのです。
  • 公衆被曝線量1ミリシーベルトの無視
  • 国と電力会社の責任は負わないという態度
  • 法的根拠の無い被曝線量の押しつけ
  • こそまさに原子力災害特措法の濫用です。

    参考:市民が勝ち取った1ミリシーベルト

  • 文科省<交渉>子ども福島ネット
  • 暫定目安20ミリシーベルトを撤回。学校と除染目標1ミリシーベルトに。
    日刊ベリタ : 記事 : 福島の子どもの放射線被ばく量で 文科省が方針転換  今後の課題は山積み