こんにちは。今回は
  • 「制定しよう 放射能汚染防止法」(山本行雄著、星雲社)
  • 「第5章 このように整備せよ 放射性物質の公害規制」
  • 「5‐07 公害犯罪処罰法を改正せよ」
  • についてお話してみたいと思います。「世界にさきがけて制定された」公害犯罪処罰法の機能回復をせよというお話です。

    要求事項

    「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律」(略称「公害犯罪処罰法」又は「公害罪法」)を次の通り改正すること。

  • ①第2条及び第3条の「工場または事業場における事業活動に伴って・・・排出をし、」を「工場又は事業場から排出し、」に改めること。

  • ②放射性物質位の漏洩については、第2条及び第3条の「公衆の生命又は身体に危険を生じさせた」の要件を廃し、漏洩自体を犯罪として罰すること。

  • ③放射性物質の排出行為の責任の程度は、排出量、過失の程度に応じて段階的具体的に定めること。

  • ④放射性物質の排出が故意又は重過失の場合は、無期懲役程度の刑事責任とすること。
  • 解説

  • ①公害犯罪処罰法は、最高裁が「事業活動に伴って」の意味を狭く解釈し、下級審の有罪判決を破棄したことによって、この法律の公害防止の機能はほとんど失われてしまいました。機能を回復させるために「事業活動に伴って」の要件を削除すべきです。

  • ②放射性物質から人と環境を守るには、漏洩自体を漏洩自体を取り締まる必要があります。

  • ③放射能汚染の被害の甚大性と回復の困難性から、被害の程度に併せて責任の程度を決め、故意や重過失による場合は厳罰をもって臨む必要があります。

  • ④公害犯罪処罰法は、公害国会で「世界にさきがけて制定された」と言われたように、我が国の反公害の世論を背景に、公害の反社会性を法制化した画期的な刑事法です。しかし、最高裁は、いわゆる「事故型」の漏洩事故について、「事業の活動に伴って」に当たらないとして下級審の有罪判決を破棄しました。このため、この法律は骨抜き状態になってしまいました。最高裁が、公害国会当時、多くの国民が受け止めていた法律とは異なる法律に変質させたのです。福島第一原発事故によって、この法律は再び脚光を浴びていますが、改めて、公害被害者が残した遺産といえるこのこの法律の意味を見直すべきです。放射能汚染防止法制定の市民運動は、福島第一原発事故直後からこの法律の価値に着目し改正運動に取り組んでいます。