<要求事項>と<解説>をまとめました。

第5章の5-01から5-07
第6章の6-3
第7章の7-3


で紹介されている<要求事項>と<解説>のみをまとめています。
意見書や陳情書などの作成にご活用ください。



第5章の5-01から5-07

放射性物質の公害規制

 

【Ⅰ.原子力公害の特性に立脚し公害規制の諸原則に従う】

 

(1)原子力公害の特性に立脚して規制すること

<要求事項>

原子力公害に対する公害法は、以下のような放射性物質の公害特性に立脚して整備すること。

 

•①化学的処理によって無害化できず、自然の減衰をまたなければならないこと。

•②一旦外部に漏出すると、短時間で大気、水質、土壌を広範囲に汚染し、地球規模に及ぶこと。

•③一旦環境を汚染すると土壌汚染、水質汚濁などの除去は極めて困難ないし不可能であること。

•④大規模汚染は、家族を破壊し、地域社会を分断崩壊させること。

•⑤被曝による健康被害は、多くの場合長期間経過後に発症すること。

•⑥他の原因による症状と病理的に区別が困難で隠蔽されやすいこと。

•⑦子どもへの影響が大きいこと。

•⑧既に出現した放射性物質は膨大であり、時々の政治経済に左右される場当たり政策では対処できないところまできていること。

•⑨高レベル廃棄物のように超長期の安全な隔離を必要とし、科学的に安全な対処方法が確立されていないものがあること。

 

<解説>

従来、原発問題は、安全性と防災の面に力点が置かれ、汚染という被害の面を課題にすることは避けられてきました。しかし、放射性物資を公害規制の対象にするということは「放射能汚染」という被害から、人と環境を守るのが目的です。そこで公害原因物質である放射性物質の特性に立脚した制度を構築する必要があるのです。

 

 

 

 

 

 

 

(2)事前対策と結果責任を重視すること

<要求事項>

放射性物質に対する公害規制は、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染の事前対策と汚染に対する結果責任を重視して整備すること。

 

<解説>•①放射性物質は、一旦外部に漏洩すると広範囲に拡大し、汚染除去は困難です。この特質に対応して事前対策、すなわち厳しい排出規制が必要であり、厳しい結果責任を定めておく必要があります。

•②公害規制対策には、事前対策と事後対策という分類があります。両者を効果的に組み合わせることが必要です。

 

 大気汚染や水質汚濁を排出段階で規制するのが事前対策の典型例です。土壌汚染で除染義務を定めるのは事後対策の典型例です。土壌汚染でも、汚染を罰することは、未然に汚染を防止するための事前対策になります。

 

 

 

(3)予防原則、充分な安全余裕に立脚すること

<要求事項>

放射性物質の公害規制は、予防原則に立脚し充分な安全余裕をもって設定すること。

 

<解説>

•①放射性物質による汚染は、被害が大規模長期に及び、健康被害は隠蔽されやすいなどの特性があります。従って、放射性物質の公害規制は特に予防原則に力点を置き、規制の基準は充分な安全のための余裕をもって設定されるべきです。

•予防原則

公害規制の基本的な考え方に「予防原則」という考え方があります。根底には、人や環境に有害な物には予防的に対処していこうという常識的な思想があります。1992年のブラジル環境サミットの「リオ宣言」第15原則で妥協的な表現ながら採り入れられています。この原則は、消費者保護や健康保護など適用範囲を広げています。「予防原則」は、公害・健康問題の共通認識になったと言えます。•安全余裕

また、類似の「安全余裕」という考えも広い分野に行きわたっています。危険な事柄を規制する場合、基準については、安全性に余裕を持たせて対処しようという、これも常識的な考えです。

 

 

(4)しきい値なしモデルを徹底すること

<要求事項>

放射線被曝の線量規制は「しきい値なし」モデルを徹底すること。

 

<解説>

•①放射線被害については、国際的にも「しきい値なし」原則が採用され、我が国もこれに則して扱われてきたものです。予防原則から言っても当然しきい値無しの原則を徹底すべきです。

•しきい値と予防原則

放射線の影響を巡って「しきい値」が論じられています。しきい値の問題は公害原因物質の総てで問題になります。しかし、放射線被曝のように大きな問題になっていません。なぜでしょうか。もともと公害規制は、有害な物質が人に与える影響ぎりぎりの限界を確定して規制するのではなく、それよりずっと低い基準値を設定します。(予防原則、安全余裕)。そうすることによって、規制基準に違反すれば、影響の有無に関係なく法律違反として罰則などを受けることになるのです。こうのようにして公害から人や環境を守っていくの公害規制です。

 

 

 

(5)希釈・拡散政策を改め、集約・封じ込め政策に改めること

<要求事項>

放射性物質の公害規制は希釈・拡散政策を全面的に改め、集約・封じ込めを原則とすること。

 

<解説>•①原子力関係の法律は、量規制を行わず濃度規制による希釈・拡散政策を採用しています。また、汚染対処特措法は、汚染廃棄物を普通の「ゴミ扱い」することによって放射性物質を広く拡散する政策を採っています。このような政策は、公害規制の在り方とは逆です。産業規制法である公害規制関係の法整備にあたっては、これを逆転し、集約し封じ込める政策に転換する必要があります。

•②汚染水問題、汚染廃棄物問題など、現在の法制度は、汚染の程度に合わせた場当たり的政策が行われ、これを追認するものになっています。法制度全体を見直さないと、ルーズな汚染・被曝が常態化し取り返しがつかないことになります。

 

 

 

 

(6)高レベルの核ゴミ:反科学的な「見なし」政策を排除すること

<要求事項>

地層処分について、安全な方法が確立していないものを安全な方法が確立しているものとみなす政策は、法制度上払拭すること。

 

<解説>•①高レベル放射性廃棄物においては、科学的に安全性が確立していないのに、地層処分の安全性は確立されているという前提の法律を制定しています。(注1)

•②安全性の確立していないものを確立していると「見なして」処理・処分するのは、科学的虚偽であり、排除する必要があります。

•③安全性が確立していないものは長期の研究をするほかありません。

 

 

 

(7)刑罰法規を重視すること

<要求事項>•①放射性物質による汚染に対しては、重罰をもって取り締まること。

•②大気汚染、水質汚濁、土壌汚染などの、公害関係法の罰則規定の整備はもとより、公害犯罪処罰法や刑法の改正など刑事法全般を整備すること。

<解説>•①放射性物質は、一旦外部に漏洩すると被害の回復は困難であり、その影響は広範囲、長期に及びます。この重大性を直視し、刑罰法規を重視し、予防効果を最大限発揮させる必要があります。

 

このような重大な危険を内包する原子力産業でありながら、公害関係の法律が適用除外にされ、汚染にも被曝にも刑事責任を問われないという特別扱いが行われてきました。

•②放射性物質の漏洩に責任を問わず、重大事故にも「想定外」の一言で責任逃れが出来る現行法の下では、平常時の汚染を防止することはもとより、重大な事故を防止することもできません。

 

原発稼働の動向如何にかかわらず、厳しい刑事罰の整備が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

(8)大規模汚染防止のためにも平常時の漏洩を徹底して取締ること

<要求事項>•①原発問題を安全・防災関係の法規制に限定してきた法政策を根底から見直し、全原子力施設を放射能汚染という公害の規制対象とすること。

•②全ての原子力施設における平常時の放射能汚染を徹底して取締ること。

<解説>①日本には、50基の原発があり、精錬・加工・貯蔵・再処理・廃業などの事業に伴う施設が存在します。そこには、使用済み燃料や高レベル放射性廃液、中レベル、低レベルの放射性物質がたまっています。これらの施設からの放射能汚染を防止しなければなりません。また、今後の廃炉作業に伴う放射の汚染対策という重要な課題があります。しかし、放射能汚染源から人と環境を守る法律は全く未整備です。•②放射性物質は、法律上公害規制の対象となったのですから、他の公害施設と同じように、平常時から汚染を厳しく取り締まるのは当然です。小規模の漏洩を徹底して取締ることが、大規模汚染の防止につながることは当然のことです。

•③今後の大きな課題は、核分裂生成物の保管・処分施設からの土壌汚染防止です。規制基準・環境基準を整備し土壌汚染を防止する必要があります。大規模汚染が起きた後のことだけを考えていたのでは、大規模汚染も防止できないでしょう。

 

 

 

(9)汚染負担の原則は、事業者の責任に加え原発政策を推進してきた国の責任のもとに、実効性ある公害被害者救済制度とすること

<要求事項>•①放射性物質により、被曝させ、環境を汚染する行為は、公害による不法行為であることを法律上明確にすること。

•②国は、原子力基本法以下の法律をもって原子力産業を保護育成し、放射性物質に対する公害規制を外すなどの特別扱いをし、法による行政を逸脱してきた。このことを法律上確認した上で、国も汚染者として法的責任を負う制度とすること。

•③汚染者負担の徹底のため、原子力損害補償制度の「責任集中制度」を廃止し、原子炉メーカーなどの製造物責任を全面的に具体化すること。

 

<解説>•①「汚染者負担の原則」「原因者負担の原則」と言われるものは、今なお生成途上の原則です。我が国では、公害は生存権を侵す社会的な悪であり、汚染者は責任を負うのだという考えが法律に反映されるところまで来ています。環境復元の費用や被害者救済費用について責任を負う原則であり、損害と救済を費用負担と天秤にかけて決めるようなことは「正義公平の原則」に反するという考え方です。

•②「汚染者負担の原則」は、原子力発電の費用や賠償の費用を消費者に負担させる政策に悪用されやすいので注意しましょう。

•③原発は、国策で推進しなければあり得なかった産業です。国が総元締めとも言える指導力発揮し、しかも公害法の適用除外などの特別扱いをしてきたものです。福島第一原発事故による汚染は、国策による原子力公害であり、国は東電とともに「汚染者」として扱われるべきです。

•現行法上原子炉メーカーは、事故の賠償責任を負いません。このような制度が、汚染しても被曝させても電力会社が責任を負わない法制度と組み合わされ、原発産業の暴走を招いてきたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Ⅱ.線量規制・大気汚染及び水質汚濁の規制】

 

<要求事項>

放射性物質についての大気汚染、水質汚濁の規制基準・環境基準は次によること。

 

•①総ての原子力施設についてベクレル単位で送料排出の規制(総量規制)をすること。

•②総量規制なき濃度規制は認めないこと。

•③原子力発電所及び、再処理施設についての総排出量の規制基準は、その廃炉、解体事業を含め現在各原子力発電所において保安規定で定めている「年間放出管理目標値」と同一水準とし、平常運転時には漏洩しないセシウム、プルトニウムなどは「検出しない」を基準とすること。

•④原子力発電所と再処理施設の総排出量規制の基準に差を設けることがなく同一基準にすること。

•⑤放射性物質の管理・処分施設については、総ての各種について「検出しない」を規制基準・環境基準とすること。

 

<解説>

•①放射性物質が公害物質原因物質である以上、施設外に漏洩することを排出「量」で規制するのは当然です。

•②現在原子力関係法において行われている総量規制なき濃度規制は、希釈・拡散による無制限の排出を認めるものであり、公害規制法の基準には採用できません。公害規制の法整備に当たっては、汚染させないという公害規制の基本に立脚して「量」の規制をしなければなりません。

•③現在原子力発電所において保安規定で作成されている「年間放出管理目標値」は容易に達成可能な数値です。又、平常運転時にはセシウム、プルトニウムなどは正常管理の下では漏洩しないのですから、検出されるのは管理に問題があることを意味します。従ってこれらの核種については「検出されない」を基準とすべきです。(注2)

•④再処理事業について、原発1年分を1日で排出するなどの指摘がります。「事業の都合」に合わせた基準を設定するのは公害規制になりません。汚染防止の観点から原発より緩い基準を設定するべきではないのです。

•⑤公害規制法制度の基本構造に立脚すること。

物質による公害の防止は、空気、水、土壌という自然の三要素を汚染させない事が基本です。

 この三要素の中でも、大気や水が汚染され、その結果、土壌を汚染するというのが通常のパターンです。

 そこで、まず、公害施設の外に排出される段階で、基準を定めて違反に罰則を加えるなど、大気汚染と水質汚濁を規制することが必要になります。

 そのための法律が大気汚染防止法と水質汚濁防止法です。

 これから述べるテーマは、この二つの法律が定める強制力を伴う規制基準と、強制力を伴わない環境基本法が定める環境基準です。

 土壌汚染は別途述べることにします。

 環境基準は、大気汚染防止法、水質汚濁防止法に基づいて「排出基準」「排水基準」という言い方で決められることになります。

 通常「環境基準・規制基準」という言い方が多いのですが、ここでは、強制力を伴う規制基準を柱に説明します。

 現行法の役割分担の構成は以下の通りです。

 

•規制基準

環境基本法を受けて制定されている次の下位法が決めます。

大気汚染法→排出基準(規制基準)

水質汚濁防止法→排水基準(規制基準)

 

•環境基準

環境基準法が直接決めます。

環境基本法→大気の環境基準

       →水質の環境基準

 

•⑥大気汚染、水質汚濁は総量規制が大原則

原子炉等規制法の排出段階の規制は、濃度規制だけです。しかも、違反しても罰則がありません。これだと薄めてしまえば無制限に排出できます。従って、公害規制は総量規制が重要だという事です。ごく当然の事です。•⑦総量規制はベクレル単位で決める。

ベクレルとシーベルトも、次のような図にまとめておきます。

排出段階の規制は、排出する量で規制するのですから、当然ベクレル単位で規制基準、環境基準を定めなければなりません。原子炉等規制法の規則で、再処理施設の排出をシーベルト単位で線量規制していますが、科学や技術の名に値しません。(2-02参照)

 

•⑧「検出されない」という基準

公害規制の規制基準・環境基準では、「検出されない」という基準がよく出てきます。意味は、検出方法の最低単位に達しないことです。以下は、水質汚濁法の例です。

 

 

 

カドミウム  環境基準 リットル0.003㎎以下 規制基準 リットル0.03

PCB     環境基準 検出されない事    規制基準 リットル0.0003

アルギル水銀 環境基準 検出されない事    規制基準 検出されない事

 

検出方法は環境大臣が定めることになっています。

セシウムやプルトニウムは通常原子力施設からは排出されない事になっています。よく冷却水漏れ事故などで「放射能漏れはありませんでした」と報道されます。ですから「検出されない」を基準にすることは当然なのです。詳しくは注2を見てください。

 

 

 

 

※注2 次のような事実は、セシウム、プルトニウムなどの核種が、通常運転では検出されないことを示しています。

 「平成23年度 原子力施設における放射性物質の管理状況及び放射線業務従事者線量管理状況について」(経産省と原子力安全・保安院連盟の報告書)によれば、福島第一原発を除き各原発とも「放出管理目標値」を下回っていますし、液体廃棄物中のトリチウムを除く放射性物質についても、福島第一原発事故による影響と考えられるもの以外は検出されていません。

 東電201172日「仙台原子力発電所における放射性セシウムの検出についてのお知らせ」は空気中塵による放射性物質の濃度測定の結果として「ごく微量の放射性物質(セシウム134、セシウム137)を検出しましたのでお知らせします。」「福島での事故を踏まえ、(中略)各所で同じ放射性物質が検出されているところから、本事象は川内原子力発電所に起因したものではないと判断しています。」とあります。通常運転では検出されない筈のものが、福島第一原発事故によって漏洩検出されたということです。

  冷却水漏れのニュースで「放射能漏れはありませんでした。」というコメントがつくのは、平常運転時にセシウムなどの放射性物質が外部に漏れることがないからです。従って排出基準で「セシウム、検出されない」を採用しても厳しすぎるということはありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

【Ⅲ.大気汚染、水質汚濁の常時監視】

 

<要求事項>

•①「定期」ではなく、「常時」監視システムを備えること。

•②大気汚染、水質汚濁の規制基準、環境基準の整備に合わせ、これらの基準の順守状況を常時把握できるように実効性ある監視システムを構築すること。

•③特に、地下水への漏洩監視を徹底するために精密な常時監視設備を整えること。

<解説>

•①常時監視と規制基準、環境基準の整備

公害規制において規制基準、環境基準と常時監視は不離一体の関係にあります。大気汚染防止法、水質汚濁防止法の規制基準、環境基準を整備し、これに合わせて現在の監視体制などを全面的に見直していく必要があります。•②「定期」ではなく「常時」監視

常時監視は、文字通り時間的に間断無く監視する必要があります。月1回、年1回、などの断続的定期検査では漏洩、汚染の実態把握ができません。

 汚染状況を途切れなく継続して測らないと、違反の事実が曖昧になってしまいます。罰則も免れやすくなってしまいます。放射性物質の「事故隠し」を防ぐためには排出の変動が分かるように監視することが必要です。

 

 

【Ⅳ.常時監視は都道府県への法定受託事務とせよ】

<要求事項>

•①実施主体を法定受託事務として都道府県知事に行わせること。

•②同時に自治事務としての都道府県知事の独自常時監視体制を整備すること。

<解説>

•①主体実施

法改正により、大気汚染防止法、水質汚濁防止法の2法について常時監視条項が設けられました。

 従来大気汚染、水質汚濁の常時監視は、都道府県が国から委託されて行ってきましたが(法定受託事務)、放射性物質については国が直接行うことにしています。これは、住民生活に密接な行政主体である自治体に行わせるべきです。

•②自治事務としての独自の常時監視

国の権限とは別個独立に自治体は憲法上の「自治権」に基づき、独自の権限で事務を行うことができます。(自治事務)。放射性物質による公害防止のために、国の法律とは関係なく自治事務として自治体独自の常時監視をすることは当然できるのです。

 国の、常時監視体制絵が不十分な現状において、自治体は、常時監視を国と並行して行い、最終的には法定受託事務に一元化し、知事の権限に統一すべきです。

【Ⅴ.土壌汚染の禁止】

 

<要求事項>

•①農用地土壌汚染防止法23項及び土壌汚染対策法21項の放射性物質適用除外規定を削除すること。又は、独立の放射能汚染防止法の中で放射性物質による土壌汚染防止の公害規制法を整備すること。

•②放射性物質による土壌汚染を禁止する一般規定を設けること。

•③土壌の放射能汚染に対する規制基準・環境基準は、総ての核分裂生成物・化合物について「検出せず」とすること。

•④放射性物質による土壌汚染については、過酷事故による広範囲の汚染のみを想定するのではなく、総ての原子力施設(事故由来放射性廃棄物の管理・処分施設を含む)からの平常操業時における漏洩の段階から徹底して取締ること。

•⑤総ての放射性物質の管理・処分施設について、土壌汚染についての継続的漏洩監視を行うこと。

•⑥土壌汚染の規制単位はベクレル単位で行うこと。

•⑦土壌汚染により土地の所有権・利用権を妨げる行為については、不動産毀損罪(仮称)など厳しい罰則を整備すること。

•⑧不動産所有者・利用者権者の汚染者及び国に対する除染請求権を規定すること。

•⑨除染義務の範囲は、その不動産の敷地内に限定することなく、不動産所在地の地域生活全体として行うこと。

 

 

<解説>

•①放射性物質の土壌汚染は、大事故による広範囲の地域が汚染された場合に限りません。日本には、50基の原発と、精錬・加工・貯蔵・再処理・廃棄などの事業に伴う施設が存在し、そこには、使用済み核燃料や高レベル放射性廃液、中レベル、低レベルの放射性廃棄物があります。これらの施設からの放射能汚染を防止しなければなりません。また、今後の廃炉作業に伴う放射能汚染対策という重大な課題があります。

 

•②放射性物質は、法律上公害規制の対象になったのですから、他の公害施設と同じように、平常時から汚染を厳しく取り締まるのは当然です。小規模の漏洩を徹底して取締ることが、大規模汚染の防止につながることは当然のことです。

 

•③核分裂性成物の保管・処理施設からの土壌汚染防止は、今後の大きな課題です。規制基準・環境基準を整備し土壌汚染を防止する必要があります。大規模汚染が起きた後のことだけを考えていたのでは、大規模汚染も防止できないでしょう。

【Ⅵ.自治体は国に法整備を要求し自ら公害条例を整備せよ】

 

<要求事項>

•①自治体は、国に対し、放射能汚染防止のための法整備をするよう要求すること。

•②原子力施設所在自治体は、放射能汚染防止条例を整備すること。

•③原子力施設所在自治体は、国が放射能汚染防止に関する公害関係法を整備した後は、環境基本法に沿って、横出し、上乗せなど、原子力公害に関する条例を整備すること。

 

<解説>

•①環境基本法改正にともない、国は同法に則って、放射性物質に関する公害関係の法律を整備する義務を負っています。(302601参照)

•②住民を放射能汚染被害から守るべき自治体が、国に対して国に対して法整備の要求をするのは当然のことです。住民は、自治体議会への陳情、請願等を通して働きかけていく必要があります。地方議員は首長に対して、国に法整備の働きかけをするよう求めていく事が必要です。(資料2参照)

•③自治体は、独自に公害規制の条例を制定することができます。環境基本法の改正によって、放射性物質が公害原因物質に位置付けられたのですから、独自に規制基準や環境基準を定め、常時監視規定を設けるなど、公害条例を整備して住民を原子力公害から守るべきです。

•④国が、放射性物質に関する公害関係法を整備した後は、住民と地域の環境を守るために、条例による横だし、上乗せ基準を整備するなどの必要があります。

•⑤大気汚染防止法、水質汚濁防止法は、明文で条例による横だし、上乗せ基準を認めているわけですから、両法が適用になった現在、法律に先行して放射の汚染防止条例制定することはもちろん、法律整備後、横だし、上乗せ条例を制定することも当然できます。

•⑥公害防止の法制度は、地方が先行し国が後追い的に法整備をしてきた歴史があります。また、東京都公害条例のように、国より厳しい公害規制条項を設けた例では、国が違法だと主張して圧力をかけるなど、争った歴史もあります。自治体は、このような歴史に学んで原子力公害から住民と地域環境を守るべきです。

 

 

 

 

 

 

 

 

【Ⅶ.公害犯罪処罰法の改正】

 

<要求事項>

「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律」(略称「公害犯罪処罰法」又は「公害罪法」)を次の通り改正すること。

 

•①第2条及び第3条の「工場または事業場における事業活動に伴って・・・排出をし、」を「工場又は事業場から排出し、」に改めること。

•②放射性物質位の漏洩については、第2条及び第3条の「公衆の生命又は身体に危険を生じさせた」の要件を廃し、漏洩自体を犯罪として罰すること。

•③放射性物質の排出行為の責任の程度は、排出量、過失の程度に応じて段階的具体的に定めること。

•④放射性物質の排出が故意又は重過失の場合は、無期懲役程度の刑事責任とすること。

 

 

<解説>

•①公害犯罪処罰法は、最高裁が「事業活動に伴って」の意味を狭く解釈し、下級審の有罪判決を破棄したことによって、この法律の公害防止の機能はほとんど失われてしまいました。機能を回復させるために「事業活動に伴って」の要件を削除すべきです。

•②放射性物質から人と環境を守るには、漏洩自体を漏洩自体を取り締まる必要があります。

•③放射能汚染の被害の甚大性と回復の困難性から、被害の程度に併せて責任の程度を決め、故意や重過失による場合は厳罰をもって臨む必要があります。

•④公害犯罪処罰法は、公害国会で「世界にさきがけて制定された」と言われたように、我が国の反公害の世論を背景に、公害の反社会性を法制化した画期的な刑事法です。しかし、最高裁は、いわゆる「事故型」の漏洩事故について、「事業の活動に伴って」に当たらないとして下級審の有罪判決を破棄しました。このため、この法律は骨抜き状態になってしまいました。最高裁が、公害国会当時、多くの国民が受け止めていた法律とは異なる法律に変質させたのです。福島第一原発事故によって、この法律は再び脚光を浴びていますが、改めて、公害被害者が残した遺産といえるこのこの法律の意味を見直すべきです。放射能汚染防止法制定の市民運動は、福島第一原発事故直後からこの法律の価値に着目し改正運動に取り組んでいます。






第6章の6-3

 

福島第一原発事故 原子力公害被害者の権利

 

【国は被曝誘導政策を改め原子力公害被害者を救済せよ】

 

  1. 国は、被災者に被曝の受任を強いる復興政策を改めよ

 

•<要求事項>

国は、公害の被害者である福島第一原子力発電所事故による被災者に対し、公害法の整備を怠って無権利な状態に置く一方、原子力災害特措法や福島復興再生特措法によって、避難指示解除、避難者の住宅支援中止などの政策を実行し、年間20ミリシーベルトの被曝基準による帰還促進政策を実行している。これらの一連の政策は、復興政策の名の下に被災者の弱みにつけ込んだ公害被害者に対する国家的人権侵害である。このような政策を実行してきたことについて被災者に謝罪するとともに、被曝の受忍を強いる復興政策を改めること。

 

 

•<解説>

①国は、原子力事故の被災者に対して、環境基本法に則って、公害被害者救済のための法整備や施策を講じなければならない義務があります。しかし、国は故意にこれらの義務を怠っています。一方、復興支援を打ち切るという政策により、年20ミリシーベルト基準の被曝を受忍させる帰還促進政策を実施しています。

②これは、汚染地域の経済復興のために、被災者に対して、被曝受忍せざるを得ない立場に追いやる違法な政策であり、直ちにやめるべきです。

③環境基準法に従って公害被害者を救済しなければあならない国が、義務を怠っているだけでなく、法制度を濫用して組織的に被災者の人権を侵害しているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 国は、福島第一原発事故による公害被害者救済の法整備義務を果たせ

 

•<要求事項>

①国は、環境基準法に則って、福島第一原発事故に伴う放射能汚染から被災者を救済する法制度を整備する義務があるのに果たしていない。この義務を果たすこと。

 

 

•<解説>

①環境基本法13条の削除に伴い、国は、同法に則り放射能汚染に伴う公害法の整備をしなければなりません。(601参照)

20116月衆参両議院は、水質汚濁法改正の際、その附帯決議において、放射性物質につき「環境関連法における放射性物質に係る適用除外規定の見直しを含め、体制整備を図ること」とし、更に20126月の汚染対処特措法附則において「放射性物質に関する法制度の在り方については抜本的見直しを含めて検討を行い、その結果に基づき、法制の整備その他所要の措置を講ずる」ものとしています。しかし、国は具体的な法整備を行っていません。最優先して行われるべき福島第一原発事故の原子力公害被害者に対する法的救済については、何も具体策を定めていません。

 

なお、請願書、意見書、要望書などを作成する場合の理由については、上記理由に加えて601にある環境基本法の条項を示すと良いでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 国は、被災者には1ミリシーベルトを超える被曝を回避する法的権利があることを確認し、避難の権利を具体化せよ

 

•<要求事項>

①法律上の公衆被曝線量限度は11ミリシーベルトであり、国はこの基準に基づいて被災者を被曝から救済する義務があることを確認し、その前提に立って被災者救済の施策を実行すること。(注2)

②被災者は、公衆被曝線量限度年1ミリシーベルトを超える被曝を回避する法律上の権利がある。従って国はこの権利を妨害することなく尊重して被災者救済の施策を実施すること。

③避難指示解除に伴う年1ミリシーベルトを超える地域の被災者に対する救済として、損害賠償、避難の権利、住宅支援などを具体的に策定し実行すること。

④国は、東京電力に対して行っている避難指示解除に伴う賠償義務打ち切りの行政指導を直ちにやめること。

 

•<解説>

①原子力災害特措法による避難指示の線量基準20ミリシーベルトは公衆の被曝線量基準ではありません。法律上の公衆被曝線量基準はあくまでも1ミリシーベルトです。

②原子力災害特措法が避難基準をどのように決めようと、公衆被曝線量基準の1ミリシーベルトを超えて被曝させたことが被災者に対する違法な権利侵害であることに変りありません。次の()の解説参照

③従って、国は、少なくとも現行法上1ミリシーベルトを超えて被曝させない義務を負い、被災者は1ミリシーベルトを超えて被曝しない権利があるのです。

④政府は、東電の避難者に対する慰謝料について、避難指示解除後も20183月分まで支払うよう指導する意向を示しましたが、これは被災者支援ではなく、被災者に対する権利の妨害です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 国は、違法な20ミリシーベルト基準を破棄せよ

 

•<要求事項>

①国は、福島第一原発事故による住民の避難基準を年間積算線量20ミリシーベルトとしたが、これを破棄すること。

②避難指示解除後の帰還居住者の被曝線量限度基準は、自動的に1ミリシーベルトとなることを確認すること。

 

 

•<解説>

①避難指示解除後、公衆の被曝線量基準を20ミリシーベルトとするのは、全く法的根拠の無い違法な基準です。

 原子力災害特措法の緊急事態宣言に伴う避難基準は「緊急事態なので避難せよ」として設定された数値です。公衆を生活させ被曝させてもよいという法的根拠にはなりません。緊急事態宣言があろうとなかろうと、避難指示が解除されようがされまいが、我が国の法律上、公衆被曝線量限度は1ミリシーベルトです。(2-03特に<原子力災害特措法の濫用>参照)

 避難指示解除後、そこに住む住民には、唯一の法的な公衆被曝線量基準である1ミリシーベルトが自動的に適用されるのは当然のことです。

②国は、ICRPの勧告を「国際的基準」とか「国際的合意」などと述べ、あたかもICRPの勧告を国際法上の法的基準のように宣伝しています。しかしICRPは私的学術団体に過ぎず、その勧告はなんら法的効力を持たないものです。避難解除後の法律上の公衆被曝線量限度は1ミリシーベルト以外にありません。

③実質的に見ても、原子力災害特措法による避難基準の20ミリシーベルトは、労災認定基準5ミリシーベルト、放射線取扱者らが保護される放射線管理区域の年5.2ミリシーベルトの4倍です。このような異常に高い数値を「安全」とみなすのは、公害防止の基本原則である予防原則を大きく逸脱するものであり、原子力公害から被災者を守るべき国の義務に違反し違法というべきです。

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 政府は「子ども被災者支援法」の実施に当たって、原子力公害被害者に対する救済義務として履行せよ

•<要求事項>

①環境基本法の改正により、放射性物質が公害原因物質として位置づけられた現在、子ども被災者支援法施策は、被災者を原子力公害の被害者として救済する国の義務に合致するものでなければならないこと。

②被災者等の意思による居住、移動、帰還の選択については、公衆被曝線量限度1ミリシーベルトを基準とし、避難の権利を明確にし、住宅支援その他の生活支援を公害被害者救済策として実施すること。

•<解説>

①放射の汚染が公害として扱われることになったのですから、子ども被災者支援法は、環境基本法の定める公害被害者への救済策として策定されなければなりません。

②現行法上公衆被曝線量が1ミリシーベルトである以上、公害被害者が、1ミリシーベルトを基準として被曝を回避するために避難する権利があるのは当然です。

③住宅支援についても、現在の災害救助としての住宅支援策で国の義務を尽くしたことにはならないのです。原子力公害被害者の被曝を回避する権利としてとらえ直す必要があります。

 

()国会は「子ども被災者支援法」を改正し、公害被害者に対する救済内容を具体化せよ

•<要求事項>

①子ども被災者支援法について、国会は、政府が具体策を講じない事を放置することなく、唯一の立法機関として、同法を改正し、具体的な救済策を定めること。

②同法の改正に当たっては、被災者が原子力公害の被害者として、環境基準法の定める内容に則して救済を受ける権利があることを明記すること。

③国には原子力政策を推進してきた責任があることを明記すること。

④具体的内容としては、1ミリシーベルト以上5ミリシーベルトまでの選択的避難の権利保障、住宅保障、医療保障、受診医療機関の選択の自由などを詳細に定めること。

•<解説>

①子ども被災者支援法は、日本版チェルノブイリ法を目指したと言われています。しかし内容に目を通せば、違いは歴然としています。チェルノブイリ法が被災者の「権利」として具体的に定めているのに、子ども被災者支援法は「権利」という構成になっておらず、具体策を政府に丸投げしています。

②この理念法に近い法律を政府が具体化しない以上、これを具体化する責任は国会にあります。

 子ども被災者支援法の具体化問題は、この章に述べられていること全体に係っています。意見書、要望書などは組み合わせて作成してください。

()国・自治体は、子どもに転地保養の権利があることを認め、具体策を実行せよ

•<要求事項>

①国・自治体は、汚染地域に住む子どもに転地保養する権利があることを認め、具体的な施策を実行すること。(注3)

②国会は、子ども被災者支援法の施行ないし法改正を待つことなく、単独立法をもって至急整備し、施策を実行させること。

③子どもの転地保養は、児童福祉法の「児童副保障の原理」(3条)に基づき、同法の定める国及び地方公共団体の責任として行うこと。

④子どもの転地保養は、被曝線量1ミリシーベルトに限定することなく被災地に住む児童に広く認めること。

⑤子どもの転地保養は、国の画一的方法によらず、ボレンティア団体などの経験・実績を踏まえ、自主性を尊重し、人と人との自然な繋がりを尊重して行うこと。

⑥子どもの転地保養の事務は市町村の担当とすること。

 

•<解説>

①まず、理屈抜きに、次の児童福祉法の冒頭3ヶ条を読んでください。

 

児童福祉法 1947年12月12日制定

 

第1条〔児童福祉の理念〕

①すべて国民は、心身ともに健やかに生まれ且つ、育成されるよう努めなければならない。

②すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。

第2条〔児童育成の責任〕

国及び地方公共団体は、児童の保護者と共に、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。

第3条〔児童福祉保障の原理〕

前2条に規定するところは、児童の福祉を保障するための原理であり、この原理は、すべて児童に関する法令の施行にあたって、常に尊重されなければならない。

 

②児童福祉法は、憲法制定の翌年、生存権に基づいて制定された法律です。この土台は、環境基本法第1条と共通です。(6-01参照)

②被災した子どもは、被曝の恐れや、行動制限に伴う、精神的肉体的ストレスを受け、生存権を侵されています。

④国や自治体は、環境基本法の定める責任に加えて、子どもに対しては、児童福祉法による特別な責任が課せられているのです。

⑤子どもの転地保養は、多くのボランティアによって行われてきましたが、当然限界があります。すべての被災した子どもに持続的な転地保養の機会を与える必要があります。

⑥子どもは日々成長し、また新たに誕生しています。至急法整備すべきです。立法技術的にも特別難しいものではありません。

⑦具体的な支援内容や仕組み(財政的助成策、自治体、ボランティア団体の位置づけ、修学制度との関係など)は、児童福祉法の理念に則して定めりことになります。

⑧6-01の国の責任と一体として理解し、国レベル自治体レベルで要請していきましょう。

 

 

 

※注2 放射線被曝をさせる行為は健康に害を与える違法行為です。被災者は福島第一原発事故以前の自然環境を享受する権利を侵害されたものです。(「放射能汚染防止法制定運動ーガイドブックー 環境基本法改正に伴い当面必要な法律案骨子」4-05)。これを前提に、少なくとも国は、現行法規上の基準である1ミリシーベルトを越えて被曝させてはならない具体的義務があるということです。

 

※注3 「転地保養」という用語は、チェルノブイリ原発事故後比較的広く使われてきたものです。





第7章の7-3

事故由来廃棄物に対する公害規制

【国は、放射性物質に対する公害規制法整備から始めよ】

 

<要求事項>

①国は、環境基本法13条が削除され、大気汚染防止法、水質汚濁防止法の放射性物質適用除外規定が削除された現在、汚染対処特措法は、原子力公害防止法としての法的位置付けを明確にして、全面的に組み直すこと。

 

②放射性物質について、大気汚染防止法、水質汚濁防止法の公害規制を未整備のまま放置して、廃棄物処理法を例外的に適用し、循環社会基本法を適用するのは、原子力公害を拡大するものであり直ちに改めること。

 

③汚染ゴミに対する法規制は、その前提として放射性物質に対する大気汚染、水質汚濁、土壌汚染の規制基準、環境基準を整備し、その基礎の上に整備すること。

 

④キログラム当たり100ベクレルを超える放射能汚染ゴミについては、廃棄物処理法の一般廃棄物、産業廃棄物とは明確に区別して、特別の処理・処分基準を定めること。

 

⑤キログラム当たり8,000ベクレルを基準とする公共土木事業の利用は、原子力公害の拡散政策であり放棄すること。

 

⑥汚染ゴミの処理・処分施設について立地基準を設けること。特に、人の生活圏からの距離、学校、病院、などからの距離制限を設けること。

 

⑦汚染ゴミの処分・処理については、大気汚染、水質汚濁、ともに放射性核種の排出は「検出されない」を規制基準・環境基準とすること。

 

⑧汚染ゴミの処理・処分施設からの放射性物質漏洩による土壌汚染についても「検出されない」を規制基準、環境基準とすること。

 

⑨汚染ゴミの処理・処分施設の常時監視(モニタリング)は、文字通り時間継続的な監視・観測を行い、時間的な変動を記録し、断続的観測方法はとらないこと。特に、地下水への漏洩についての監視は正確に把握できる装備を備えること。

 

⑩汚染ゴミ処理・処分施設の常時監視は県の法定受託事務とすること。

 

⑪汚染ゴミの処理・処分施設について管理責任の所在を明確に定め、管理責任者を定め、管理義務違反の罰則を整備すること。

 

⑫居住その他人の使用する不動産の除染義務の範囲は、その不動産の周辺の除染をもって履行したものと見なしてならず、地域社会全体として除染の効果が達成されることを義務とすること。

 

⑬除染、焼却、埋設などの汚染ゴミ対策については、常にその方法が、人と環境を守るために適切であるか否か、逆に被害を拡大していないか、効果のない無駄な公共事業となっていないか、などの検証を行うこと。

 

⑭除染義務の履行については期限を定め、期限内に履行できなかったときは、汚染に対する賠償責任とは別に遅延に対する賠償義務を負うこと。

<解説>

①要求事項は、これまで述べてきた放射性物質に対するあるべき公害規制法の応用です。

 

②既に広範囲に汚染されてしまっているのだから、処理・処分施設の公害規制を厳しくしても無意味ではないか、という方向に流れていく恐れがあります。そうなると、汚染の影響をないように見せたい行政によって被害が隠蔽されてしまう恐れがあります。

 

③「公害規制なきバラマキ政策をやめよ」など、法制度の濫用について、わかりやすく核心を衝いた表現が必要でしょう。